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視力検査で良好なら安心?

学校や職場の健康診断には視力検査があります。
おなじみのランドルト環 (Cの形をしたマーク) を見て、正しく見えているかどうかを検査するものです。
学校では勉強のため、職場では仕事のために視力は大切ですから、このような検査はどこでも必ず実施されています。
それは結構なことであり、今後も続けるべきでしょう。

遠くを見るだけが視力ではない

しかし、この視力検査で測れるのは遠見視力のみです。
少し離れた位置にあるものを正しく見分けられるかを検査しているのです。
視力には他にも、近見視力、色覚、深視力、動体視力、暗視力といったさまざまな種類があります

簡易すぎる検査手順

通常の視力検査では、数ある視力の種類のうち、遠見視力しか測れません。
その検査内容も見て分かるとおり、極めて簡易なもので、検査官も眼科医ではなく教師がやっていることがあります。
ランドルト環は8方向のいずれかに開いていますから、いいかげんに答えても8分の1の確率で当たってしまいます。
通常、まったく見えないということはなく、ぼやけていても切れ目の方向くらいは何とか分かりますから、この検査では曖昧な遠見視力しか判断できないのです。

それにもかかわらず、視力検査で 1.0 だから良好、0.3 だから問題有りなどと一喜一憂するのは、非常に軽薄な考えです。
視力というのは、そんなに単純なものではないのです。

遠くが見えても近くが見えないことがある

上述のように、遠見視力と近見視力は種類が異なる視力です。
視力検査で 1.0 という結果が出ても、それは遠見視力の数値であり、近くのものが正確に見えるとは限りません。

管理人が中学生のころ、ある生徒が先生に指示されて教科書を読んでいる途中、読めない漢字があって詰まっていました。
しかし、その漢字にはふりがなが振られていたのです。
「どうして読めないの?ふりがな付いてるじゃん」と、周りの人はまくし立てましたが、その人は「見えないんだよ!」と大声で言ったのです。
近見視力が低くて、教科書の小さな字が見えていなかったのです。

もし視力検査の結果だけで視力が決まるのならば、いくら遠くが見えない人でも、至近距離にある教科書の字が見えないことはないでしょう。
ということは、やはり遠見視力とは別に近見視力というものがあるのです。
遠くが見えるからといって、近くが見えるとは限りません。

バランスの取れた視力が大切

近視の人は、遠くのほうを見るのは苦手でも、本やパソコンなど、近くのものはよく見えます。
この場合は、遠見視力は低くても近見視力は高いということです。
また、野球選手などは動体視力に優れている人が多いのです。
芸術家などは色を見分けるのが得意なので、色覚が長けています。

通常、すべての視力が高いということはなく、どれかの視力が極端に高い人は、それ以外の視力が低い傾向があります。
視力もバランスが大切だということです。